船越の頭から見る小蓮華山

【小蓮華山登山】草紅葉が見頃の蓮華温泉~小蓮華山ルート。9月末の様子をレポートします

長野県と新潟県の県境にまたがる北アルプスの山、「小蓮華山」をご存知でしょうか?

小蓮華山は、標高2,766mで新潟県最高峰の山なのですが、近くに百名山の白馬岳があることや、山頂に山小屋がないため「目指す山」ではなく、どちらかと言うと「通過する山」というのが、登山者の中では一般的かもしれません。

しかし、蓮華温泉から小蓮華山に至るルートには、北アルプスの中で2番目に大きい「白馬大池」や、高山植物の「お花畑」や「紅葉」、船越ノ頭から見る「稜線」など、見どころがたくさんあるため、小蓮華山を目指す登山もオススメです。

今回は、そんな小蓮華山周辺の魅力をお伝えするべく、9月23日の様子をまとめてみました!

当日はちょうど、白馬大池周辺の草紅葉が見頃で一面が黄金色に輝いていました。
写真をたくさん撮ってきたので、ぜひ最後までご覧ください!

小蓮華山データ

小蓮華山コースマップ

小蓮華山コースマップ(出典:白馬岳蓮華温泉ロッジ)

標高 2,766m
山系 飛騨山脈(北アルプス)後立山連峰
所在地 長野県北安曇郡小谷村
新潟県糸魚川市
最寄りの山小屋 白馬山荘と白馬大池山荘 (ともに山頂から1時間30分)
主な登山ルート
  • 小谷村の栂池自然園
  • 糸魚川市の白馬岳蓮華温泉
  • 白馬岳経由
標準コースタイム 片道5時間 (蓮華温泉→小蓮華山)
標高差 1,296m (蓮華温泉⇔小蓮華山)

 

蓮華温泉~白馬大池

今回は、蓮華温泉からスタートし、白馬大池を経由して小蓮華山に至るルートを使用しました。

蓮華温泉駐車場

70台駐車できる蓮華温泉駐車場

6時30分過ぎに蓮華温泉駐車場に到着。

この時点で駐車率は4割程度。
蓮華温泉からは、小蓮華山だけではなく、白馬岳や雪倉岳へも行くことができるので、混雑することが多いのですが、意外にもこの日は空いていました。

7:15 入山

白馬岳蓮華温泉ロッジ

白馬岳蓮華温泉ロッジ

内湯と野天風呂が人気の白馬岳蓮華温泉ロッジ。
ここで登山届を提出し、裏手の登山口から入山します!

気温はそこまで低くなかったのですが、風が強く吹いていて肌寒かったです。

蓮華温泉

しばらく樹林帯を進む

入山後しばらくは、草木が生い茂る樹林帯を進みます。

登山道はしっかり整備されていますが、前日に降った雨の影響で滑りやすく、歩きにくかったです。

7:36 「蓮華の森」に到着

蓮華の森

蓮華の森

入山から約15分で「蓮華の森」に到着!

ベンチはありませんが、少しスペースがあるので水分補給やウェアの脱ぎ着ができます。

後ろにある大きく曲がった木がカッコいい!

栂ノ森

栂ノ森

蓮華の森を過ぎた後も、ひたすら樹林帯を登っていきます。

途中、針葉樹特有の甘い香りが漂う栂ノ森を通過。
マイナスイオンが溢れるこの場所はとても気持ちがいい!

登山道脇にびっしり生えた苔

登山道脇にびっしり生えた苔

登山道脇にびっしり生える苔にも注目です!

苔には、毒やトゲがある種類はないので、優しく撫でてみてください。
フワフワして気持ちいいですよ!

8:40 天狗ノ庭に到着

天狗ノ庭

天狗ノ庭

スタートから1時間25分で、標高2,093mの天狗ノ庭に到着!
ここで10分ぐらい休憩しました。

天狗ノ庭は、カラマツの黄葉が綺麗な場所なのですが、この日の色付き具合はまだ3割程度。
これから10月中旬にかけて見頃を迎えます。

谷を挟んで向かい側の山には雪倉岳などが見渡せます。
丸みを帯びた緩やかな姿が印象的で、いつも白馬から見る北アルプスの山々とは違った魅力があります。

◯登山メモ◯

今回使用したルートに急登はないため、登山に慣れている方であれば体力面の心配をする必要はないのですが、蓮華温泉から天狗ノ庭までは標高差約600mあるので、この区間が一番体力を消耗しました。

徐々に紅葉が目立つようになる

徐々に紅葉が目立つようになる

天狗ノ庭を過ぎると、徐々に紅葉した木々が目立つようになります。

9:50 森林限界を越える

森林限界を越える

森林限界を越える

スタートから2時間35分でついに森林限界を越えました!

白馬大池まであと少し!
この先にどのような景色が広がっているのか…!自然と歩くペースが早まります。

10:03 白馬大池に到着

白馬大池に到着

白馬大池に到着

スタートから2時間48分で白馬大池に到着!

ほぼ標準コースタイム通りに到着しました。

紅葉に見惚れてタイムロス

紅葉に見惚れてタイムロス

紅葉が美しすぎて、しばらく見惚れてしまいました。

本当は少し休憩して、すぐに小蓮華山に向かう予定だったのですが、あまりにも綺麗だったので池の周りを散策したり、写真を撮ったりして、かなりのタイムロス…

白馬大池とナナカマド

白馬大池とナナカマド

白馬大池山荘から少し白馬乗鞍岳側に歩いてみました。

この辺りはナナカマドの紅葉が綺麗でした。
キラキラ輝く湖面との組み合わせが最高です。

ちなみにナナカマドは、7回竈(カマド)で焼いても燃えないことから「ナナカマド」と名付けられたらしいです。※諸説あり

草紅葉が見頃

草紅葉が見頃

今回はちょうど草紅葉が見頃のタイミングと重なり、一面が黄金色に輝いていました!
まるで楽園のような景色。

背の低い赤い植物は、紅葉したチングルマ。
白く小さい花や綿毛の姿はよく知っていますが、その姿からは想像もつかないぐらいイメージチェンジをしていました。
紅葉した姿もいいですね!

チングルマは「落葉小低木」

チングルマは「落葉小低木」

ちなみにチングルマは「落葉小低木」だってことを知っていましたか?
こんなに小さいのに「木」なんですよ。

 

白馬大池~小蓮華山

10:36 小蓮華山に向けて出発

小蓮華山に向けて出発

小蓮華山に向けて出発

白馬大池の景色と紅葉を満喫した後は、白馬大池山荘前に荷物をデポして、小蓮華山に向けて出発です!

蓮華温泉から強かった風は、この稜線上ではさらに強くなり、油断すると吹き飛ばされそうになるぐらいの強風になっていました。
小蓮華山山頂まで辿り着けるのかちょっと心配です。

雷鳥坂から白馬大池方面を振り返る

雷鳥坂から白馬大池方面を振り返る

小蓮華山までは2時間。
船越ノ頭までは緩やかな雷鳥坂を登ります。

雷鳥坂は名前の通り雷鳥が生息するポイントなのですが、残念ながら見ることはできませんでした。

しかし、後ろを振り返るとこの絶景!
雷鳥のことはすっかり忘れて、この景色に夢中になっていました。

遠くには日本海も見えます。

11:05 船越ノ頭に到着

船越ノ頭

船越ノ頭

白馬大池から約30分で船越ノ頭に到着!

船越の頭から見る小蓮華山

船越ノ頭から見る小蓮華山

船越ノ頭は小蓮華山稜線の絶景スポット。
糸魚川市の観光ポスターにはここから撮影した写真が採用されています。
キャッチコピーは「天空に続く道」。

まさにそのキャッチコピー通り、天まで続いていきそうな美しい稜線です。
山の斜面は赤や黄色に紅葉し、ハイマツの緑と合わさったグラデーションが見事!
良い時季に来ることができました。

稜線の先には小蓮華山のピークがはっきりと見え、「ゴールまであと少し!」と思ったのですが…。
屈んでいないと真っすぐに立っていられないほどの爆風が吹いていたため、これ以上先へ進むのは断念しました。

ちなみにその強風の様子はこちら。

身の危険を感じたのはもちろんですが、この稜線を見て満足してしまったのも理由のひとつです…!
それぐらい美しい稜線でした。

◯登山メモ◯

この日は風が強かったため、気温以上に寒く感じました。
白馬大池での休憩中は、防寒着として持ってきたフリースとインナーダウンとレインウェアを全て着ました。

また、歩行中は手が冷えるので手袋を着用。9月・10月の登山は防寒対策を忘れずに!

15:06 蓮華温泉に下山

蓮華温泉に向けて下山開始

蓮華温泉に向けて下山開始

白馬大池で昼食と休憩を取り、蓮華温泉へ下山。

下山後は最後のお楽しみ、白馬岳蓮華温泉ロッジの内湯へ!
白濁色で少しとろっとした湯が、冷えた手足の先々までジワーっと温めてくれました。
登山後の温泉はやっぱり最高です。

時間に余裕がある方は、白馬岳蓮華温泉ロッジから5~10分登ったところにある野天風呂に入るのもオススメ。
そこには泉質の異なる4つの露天風呂があり、北アルプスの絶景と爽やかな山の風を感じながら入浴できますよ!

 

さいごに

今回の登山は当初、白馬岳を目指していたのですが、風が強かったので途中で目標を下方修正し、小蓮華山を目指すことに変更しました。

結局は船越ノ頭までしか行けませんでしたが、キラキラに輝く白馬大池、黄金色の草紅葉、小蓮華山の稜線美など、そこら中に広がる美しい景色を楽しめたので大満足!

とても素晴らしい山域なので、ぜひチャレンジをしてみてください!

〇登山メモ〇

高山植物が最盛期を迎える7・8月(お盆頃まで)は一番人気の季節なので、例年とても混雑します。
ゆっくり過ごしたい方は9・10月頃に行くのがオススメです。

※写真は必ずしも時系列に沿ったものではありません。たくさん撮影した中で、写りが良いものをセレクトしています。

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