(株)五竜 営業推進部の田中さん

時代に適したアクションを起こし続けたい 五竜の持続可能な取り組み【HAKUBAVALLEY SDGsレポート #02】

SDGsや環境問題に取り組んでいるHAKUBAVALLEYエリアの事業者を紹介する「HAKUBAVALLEY SDGsレポート」の第二弾。
今回は、冬はスキー場「エイブル白馬五竜」、夏は「白馬五竜高山植物園」を運営する(株)五竜にお邪魔してきました!

夏は高山植物園となるアルプス平ゲレンデ

夏は高山植物園となるアルプス平ゲレンデ

五竜では20年以上前から「持続可能な開発」を推進してきました。
それは「SDGs」という言葉が生まれるずっと前の話。

(株)五竜 営業推進部の田中さん

取材に協力していただいた、(株)五竜 営業推進部の田中さん。HAKUBAVALLEY TOURISM SDGs 小委員会に参加し、社内ではIS&SDGs委員のリーダーを務める。

高山植物の南限と北限が重なり、日本で最も高山植物の種類が多い長野県。
その中でも白馬岳周辺の植生の豊かさは明治時代から注目されており「長野県には高山植物園があるべき」と訴えた有識者もいたとか。

そのような豊かな環境に誕生した五竜スキー場ですが、スキー場を開発する際に、樹齢400年を超える貴重なドウダンツツジを伐採してしまいました。
山麓への移植も試みましたがうまくいかず、当時の開発に携わった人たちの間に「高山植物の保全や、環境の豊かさを生かした取り組みをしなければならない」という意識が芽生え、現在の五竜に受け継がれています。


持続可能な開発を目指す白馬五竜高山植物園

2000年に「持続性のある観光事業」を目指し、白馬五竜高山植物園の前身である五竜アルプス山野草園が開園。
開園に向けて、近隣の民宿やペンションなどを営む地域の方々と一体となり植栽を進めてきました。

その取り組みが始まるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。

田中さん:「スキー場の開発は、森林を伐採して山を切り開かなければならないのですが、開発を進めながらも『環境保全に取り組まなければいけない』という気持ちが強くありました。白馬五竜高山植物園には、第一に環境保全、第二に白馬村の夏の観光促進という目的があります。開園当初は、五竜アルプス山野草園という名称で始まりました。アルプス平ゲレンデの斜面に遊歩道を作ったり、石を積んだり、地域の方と一緒に植栽をしたり、地道に進めていきました。そこから徐々に花の株数が増えていき、10年程前から200万株・300種に達しました。当園には4人の専門スタッフがおり、その内2人は学芸員の資格を持っています。彼らが中心となり、外部の有識者などとも連携しながら運営しています」

 

国の壮大なプロジェクトの一端を担う。五竜の環境保全の取り組み

白馬五竜高山植物園は、(公社)日本植物園協会に登録されている正式な植物園。
その日本植物園協会や環境省と連携して取り組んでいるのは、絶滅危惧に瀕した高山植物の保全を目的とした栽培・環境調査と、天然記念物のライチョウの餌となる食草の栽培です。

田中さん:「日本植物園協会が進める生物多様性保全事業において、当園では希少な高山植物を守る活動を行っています。白馬岳に登って絶滅の恐れがある植物の種子と植物標本を採取しています。種子は環境省に提供し新宿御苑で冷凍保管され、植物標本は国立科学博物館で保管されています。採取した種子の一部は五竜で試験的に栽培し、アルプス平広場で一般公開しています」

絶滅危惧種シコタンハコベ

【写真:シコタンハコベ】絶滅危惧種を試験的に栽培。アルプス平広場で一般公開されています。

長期間冷凍保管しておいた種子を栽培するためには生育方法がわからないと育てられませんが、五竜が生育ノウハウを蓄積しておくことで次世代に引き継げる。
そのために、国と一体となり、冷凍保管と生育データの蓄積を同時に進めています。

ライチョウ(参考資料)

国の特別天然記念物 ライチョウ(参考資料)

田中さん:「ライチョウの個体を管理する環境省のプロジェクトがあるのですが、ライチョウの餌となる高山植物も地球温暖化などの環境の変化によって、リスクに晒されています。そのため当園では環境省請負事業として餌の高山植物を栽培しています」

このプロジェクトは2021年から始まったばかり。
栽培した餌は、中央アルプスでの保護活動に使用することや動物園や博物館へ提供することを検討しているそうです。

 

その時代や環境に適したアクションを起こし続けたい

五竜は2019年に、設立されたばかりのPOW JAPANとパートナーシップを締結。
以来、POW JAPANの活動をサポートし続けています。

田中さん:「現状の課題が明確で変化しなければいけないときに、まずは『アクションを起こす』ことが大事だと考えています。弊社は当時、『HAKUBAVALLEY全体とPOW JAPANがパートナーシップを結ぶべき』や『HAKUBAVALLEY TOURISM設立前からSDGsに取り組むべき』という声を上げてきました」

2019-20シーズンは、HAKUBAVALLEYとPOW JAPANのパートナーシップ締結は実現しなかったため、タイミングとスピードを重視した五竜が日本のスキー場として初めて締結しました。

※その後、HAKUBAVALLEYは2020-21シーズンより、POW JAPANとのパートナーシップを締結

再利用できる木曽桧製の箸

2007年に割り箸を廃止し、再利用できる木曽ひのき製の箸を導入。さらに2008年、国際標準化機構のISO14001を取得し、従業員が働く環境を守ることや社会に与える影響を一定レベルに維持できるように取り組んでいる。

田中さん:「これまでにも、再利用できる木曽ひのき製の箸の導入や、国際標準化機構のISO14001の取得、スキー場の使用電力の一部を100%再生可能エネルギーに切り替えるなど、さまざまな取り組みをしてきました。その根底には『その時代に適したアクションを起こし続けたい』という思いがあります。また、スキー場は地域と深く密着した産業のため、会社の利益だけを追い求めるのではなく、地域とともに成長していけるような戦略を選んでいきたいです」

過去には、レストランの生ゴミを利用したコンポストや、ゴンドラ運行時に発生する熱をエスカルプラザ(ベースセンター)のエネルギーとして再利用する取り組みもしていたとか。

長い目で見れば何が正解かわからない中で、その時代や経営状況に適したアクションを取り続けていく。
五竜の一貫した姿勢が垣間見えました!

 

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