白馬小谷では、山村の風景に溶け込んだたくさんの石仏をみることができます。
その数は1万以上といわれますが、大半が江戸中期から大正末期につくられたものです。
塩の道千国街道
越後糸魚川から信州へ塩や物資を運んだといわれる塩の道千国街道。小谷から白馬、大町のその道は当時の面影が多く残され、牛や馬を連れて長い時間をかけて歩いたボッカたちの姿がしのばれます。
道沿いには旅の安全を祈念したと思われる石仏も多く、特に難所が多い街道に、途中命を落とした馬を供養したとされる馬頭観音や牛を供養したとされる大日如来などの石仏も数多くみられます。
百体観音とは
塩の道千国街道の栂池前山に百体観音があります。
前山百体観音は、西国三十三体、坂東三十三体、秩父三十四体を指すとされ、百番の観音霊場札所になぞらえ、そこにお参りすることで百番札所へ巡拝したものと同じ功徳を得られるとされています。
元は街道に沿って転々と置かれていたものを前山に集めたといわれていますが、損壊などでここに現存するのは80体余りに。それでもそのご利益は残っていると感じるのですが…
※西国三十三体・・・大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀・和歌山・岐阜に点在する33か所の観音霊場のこと
※坂東三十三体・・・・東京・千葉・神奈川・埼玉・群馬・栃木・茨城に点在する33か所の観音霊場のこと
※秩父三十四体・・・秩父に点在する34か所の観音霊場のこと
素朴で温かい表情の観音像
様々な表情の観音像ですが、これらは伊那高遠石工によるものだといわれています。
優れた腕を持つ高遠石工は、江戸時代の頃からその腕を見込まれ、全国に出向いて石仏など石造物を多く造ってきました。
ここに並ぶ観音像の表情は素朴で温かいものばかり。
美しい風景を眺める前山百体観音
北アルプス白馬三山を眺めるように並んでいる前山百体観音。美しい風景とともに、穏やかな表情で人々を見守ってくれているようです。
塩や荷を運んだといわれる塩の道。その道中を見守り続けていた石仏が、今この雄大な北アルプスの眼下に集まって景色となっています。
そんな、石仏のある山村風景に触れてみてはいかがでしょう。
インフォメーション
アクセス | 長野県北安曇郡小谷村栂池 |
駐車場 | 百体観音手前に数台 |
お問い合わせ | 0261-82-2233(小谷村観光連盟) |