国内外から高い評価を獲得している白馬の山岳エリアには、上質なパウダースノーを求めて多くのスキーヤー・スノーボーダーが訪れます。
しかしその一方で、毎シーズン遭難や雪崩などの事故が発生しているのが実情。
そこで白馬村観光局では、4年前にフリーライドスキー・スノーボードの大会を誘致してから続けている雪山の安全啓発の一環として、バックカントリー&山岳ガイドやスキーパトロール隊員などの実務者を対象とした、雪崩捜索救助・基礎コースを開催しました。
このコースは、国内の主要山岳団体で組織された日本雪崩捜索救助協議会のマニュアルに沿った内容となっています。
講師は特定非営利活動法人日本雪崩ネットワークの出川あずささん。
HAKUBA VALLEYの各事業者内で共通認識を深め、実務者のスキルを底上げすることで、国際基準に合った対応を目指します。
座学とフィールドワークで基礎知識を習得
終日かけて実施された講習会の午前中は、ビーコンやプローブなど、装備品の基礎スキルの確認。
三種の神器と言われる「ビーコン・プロープ・ショベル」は持っていれば『絶対安全』というわけではありませんが、正しい知識と実践スキルを身につけることは必須です。
午後は白馬コルチナスキー場での捜索救助訓練。
実際に雪崩が起きたと想定して、雪中に埋めたビーコンを探し出します。
良かった点・改善が必要な点を洗い出し、実務に活かしていきます。
HAKUBA VALLEY全体でルールの統一を目指す
白馬村ではウィンタースポーツを安全に楽しんでもらうために「白馬ルール」を制定しています。これは、スキー場と立入禁止区域の境界線を明確に示したもの。
今後は、小谷村や大町市のスキー場も含めたHAKUBA VALLEY全体でルールの統一を目指すべく、動きが進んでいます。
さらには、コースマップとゲレンデ内標識の統一も目指すなど、時代の流れに合わせてスキー場も進化しようとしています。
欧米に負けない、日本の安全管理
出川さん「日本のスキー場エリア内では約20年間死亡事故が起きていません。これはゲレンデ内の安全管理が行き届いている証拠で、このスキルは欧米にも負けていません。ただし、今後もこうした成果を上げ続けていくためには、パトロール隊に装備や教育などを投資し、会社を上げて現場のサポートをしていく必要があります」
立入禁止区域での事故はあるものの、20年間滑走エリア内でスキー場の過失による事故が起きていないのはとても素晴らしいこと。パトロール隊を含めたスキー場全体の努力の賜物です。
出川さん「日本の雪崩対策も遅れているわけではなく、個々で見ればスキルは高い。だけど全体的なパワーになっていないだけ。だからこの講習をきっかけに共通理解を深められれば」
事業所の垣根を越えて知識や技術の共通認識化が進めば、お客さんの安全性向上だけではなく、現場スタッフの安全にも繋がります。
さらにHAKUBA VALLEY内のスキー場同士でもサポートし合うこともできます。
今後HAKUBA VALLEYでは、こうした動きが加速していきそうです。