8月の栂池自然園は、草が枯れたり一部の木で紅葉が始まるなど、徐々に秋の訪れを感じられるようになります。
6月から7月はミズバショウやニッコウキスゲなどの主役級の花が咲くため、一年で一番賑わう観光シーズンです。その一方で8月から9月にかけては控えめな「小さい花」が多いため、園内は落ち着きをみせています。
今回は、8月から9月に見頃になる花やオススメの過ごし方をご紹介します。(取材日8月15日)
「小さい花」がたくさん咲く、8月から9月の栂池自然園
8月から9月の栂池自然園では「小さい花」がたくさん咲いています。
足元に注目していないと見逃してしまうものばかり。
今回の取材で出会えることができた高山植物をいくつかご紹介します。
モウセンゴケはモウセン池の周辺だけではなく、ミズバショウ湿原や浮島湿原にも多く自生しています。
草丈は数センチの小さな植物ながら、葉先の赤色の毛は遠くからでも良く目立ち、湿原のアクセントに。
実は食虫植物の一種でもあり、葉から粘液を分泌して虫を捕獲します。よく観察してみると捕食している瞬間に立ち会えるかもしれません。
ハクサンフウロとダイニチアザミは本来、栂池自然園に咲く花ではありません。
いずれも園内中央部を流れる楠川の上流からタネが流れてきて、いつしか自生するようになったと考えられています。
この他にも園内最奥の「ヤセ尾根」では、陽当たりがいいことや風が強く雪が付きにくいなどの理由から、シモツケソウが咲くなど、園内とは異なる植生になっている場所もあります。
8月から9月はベニバナイチゴやタケシマランのような「実」が増えてきます。さらにもう少しすると秋を代表する植物の「ナナカマド」も真っ赤な実をつけます。
オオヒョウタンボクとクロバナロウゲは長野県の絶滅危惧種に指定されている貴重な高山植物。
数は少ないですが、園内にしっかりと自生している姿を見ることができます。
取材時のイワショウブは白い花を咲かせていましたが、秋になるにつれてピンク色の実をつけて全く別の印象に生まれ変わります。
チングルマはすでに花弁が落ち、種の状態に。
ワタスゲも風にゆらゆら揺れて綿ボウシを飛ばしていました。
濃い紫色の花をつけるオヤマリンドウは、半開きのように見えますがこれが、実はこれが満開の状態。
薄暗い森の中に咲くギンリョウソウは、見た目はキノコのようですが草の仲間です。幽霊のような姿から別名「ユウレイタケ」とも呼ばれています。
9月27日まで、無料のガイドツアーを開催
ご紹介したように8月から9月は「小さい花」が多いため、足元に注目しながら歩かないと見逃してしまう花ばかり。似たような花も多く、正確に見分けるのはとても難しいです。
そんなときにぜひ利用してもらいたいのが、栂池自然園の「無料ガイドツアー」です。
9月27日まで毎日開催していて、午前の部は10時から、午後の部は13時30分からスタート。所要時間はそれぞれ1時間程度です。
このガイドツアーは自然園のスタッフと一緒に園内を周り、見頃の高山植物を丁寧に教えてくれます。
似た花の見分け方や名前の由来、ウンチクまで様々なことを聞けるチャンス!
ぜひ利用してみてください。
※ツアーの受付は栂池ビジターセンターにて(事前予約は不要)
星空観察にオススメの季節
夏の夜空には明るい星が多く、特に8月と9月は天の川が最も綺麗に見えます。
夜に外出してもさほど寒くはないため、星空観察にはオススメの季節。
栂池自然園の入口にある栂池山荘に宿泊すれば、不定期で開催される星空観察会にも無料で参加できます。
詳しくは別のページで紹介しているので併せてご覧ください!
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