2018年12月にJR白馬駅前にオープンしたカフェZou(ぞう)。白馬村では一番早い朝7時から営業していることもあり、仕事前や滑る前のお客さんで賑わっています。
オーストラリア人オーナーのシェイさんは、冬は白馬村でカフェを経営し、夏はオーストラリアで建築関係の仕事をしています。
今回はそんなシェイさんにお店のことやオーストラリアの環境意識など、気になることを伺ってきました。
外国人観光客で賑わうZou
まずは、JR白馬駅前という好立地を活かして、いつも朝から賑わっているお店のことを質問!
ーー店名の由来は?
「なんとなくカッコイイ響きだからさ(笑)。ぞうという発音は、英語圏の人たちには馴染みがなくて、よく『ずう』とか『ざう』とか言われることもあるよ(笑)。でも、みんなが『象の看板の駅前の店』って覚えてくれればそれでイイと思ってるよ」
ーーなぜ白馬村でお店を始めたの?
「一番は雪質が良いからだね!それから白馬村の人々はブリスベンなどの都市部の人々などとは違って、時間や仕事に追われていなくて、スキーやスポーツなどやりたいことを実現できているのが良いところだと思えた。ニセコよりも東京からのアクセスが良いのも魅力だね」
ーー今年は雪不足だけど、お店の状況はどう?
「今年は昨年に比べて、お客さんは25%くらい少ないよ。日本が雪不足というのもあるけど、豪ドル安というのが大きいかもしれないね」
ーーオーストラリア人のお客さんが多い?
「約9割は海外からのお客さんだね。その中でもオーストラリア人観光客の割合が一番多いよ!」
店内はいつ行っても外国人観光客で大盛況!でも、日本語のメニューや日本人のスタッフもいるので、英語が苦手な方でももちろん大丈夫。
オーストラリア人の環境意識は世代間で乖離している
日本では雪不足が例年続き、オーストラリアでは全土で長期化した森林火災が発生。世界各地で異常気象が観測されています。
オーストラリアでは、2018年に大手スーパーマーケットでレジ袋が廃止され、3ヶ月間で80%削減したと言われています。ようやく日本ではオリンピックを控えた2020年7月からレジ袋の有料化することが決まりましたが、世界より遅れをとっている印象です。
ーーオーストラリアは環境に優しい国というイメージがあるけど実際はどうなの?
「うーん、難しい質問だね。実は、気候変動を信じていない人も多いんだ。ルパート・マードックという有名な実業家が、メディアで気候変動を否定する発言をしていて、その影響で親世代では環境問題が軽視され続けているんだ」
また、石炭輸出大国であるオーストラリアでは、石炭ロビー団体が強い影響力を持っており、政府としての環境問題に対する対策が十分に取られてこなかったのだとか。
「オーストラリアは日本ほどリサイクルの技術が進んでいないから、リサイクルするにもコストがかかるんだ。リサイクルするための施設も多くない。」
日本ではリサイクルが広く推進されていますが、一方オーストラリアでは、なかなかリサイクルが成り立っていないのも事実だとか。
ーー若い世代は環境問題についてどう思っている?
「自分たちの世代は、もっと環境問題に関心を持っているよ。プラスチック用品をできる限り再利用したり、意識が高い人はベジタリアンやビーガンになったり。」
若い世代のほうが環境問題に対する意識が高く、人気のあるカフェではプラスチックストローや袋を廃止したり、ベジタリアン・ビーガンメニューも増えているようです。
Zouでも、ベジタリアン・ビーガン対応のメニューが選べます。
全てのメニューで使用されている材料が細かく書かれているので、自分で選ぶことができるのも嬉しいポイント。
実はシェイさんの奥さんもベジタリアン。そん彼女が考案したメニューは白馬に来た観光客にも大人気です。
ーーZouとして何か取り組んでる?
「もちろん小さなことからコツコツと取り組み始めているよ。例えば、コールドドリンクのストローをプラスティックから紙ストローに変えたり、今シーズンからはオリジナルタンブラーも販売してるよ」
紙ストローはもはや当たり前。素材は紙でも強度は十分で、ストローとしての性能には全く問題ありません。
オリジナルタンブラーは柔らかい素材できているので、飲み終わったら、コンパクトに畳めるのが特徴です。その薄さは約10センチ!
ライディング前に、モーニングコーヒーをテイクアウトして、ゴンドラの待ち時間などに飲める。飲み終わったら畳んでポケットに入れてゴー!
オリジナルタンブラー購入後の最初の一杯はフリードリンク。次からは毎回、30円のディスカウントを受けられる。環境に優しくてお財布にも優しいのです。
さいごに
白馬村には多くの外国人観光客が訪れ、また在住して仕事をしている人がいます。
白馬駅前でZouを経営するシェイさんは、環境問題に対する意識が高く、問題意識を持っているようでした。
長野県は、県レベルで初の気候異常事態宣言と2050年ネットゼロ(石炭エネルギー消費を減らす)宣言をしました。
豊かな自然の中でパウダースノーを楽しみ、生活していくためには、気候変動に危機感を持ち、意識を高めること。
一人一人のチョイスが、未来を変えるかもしれません。
インフォメーション
アクセス | 長野県北安曇郡白馬村北城6354 (JR白馬駅から徒歩30秒!) |
SNS | |
営業時間 | 7:00~17:30(冬季のみの営業) |
電話番号 | 0261-85-4548 |