老朽化や建て替えなどによって、いつか変わってしまう街の景色。
今ある美しい白馬の街並みを残しておこうと思い、少しずつ写真を撮り貯めています。
そんな写真とともに、白馬の街並みを紹介していくシリーズの第3弾!
前回の『【白馬の街並み #02】白馬駅周辺~国道148号編』に続いて、今回は白馬村内を走るJR大糸線の全5駅のを紹介します。
南神城駅
南神城駅は、白馬村の駅の中で一番南に位置し、JR東日本の最西端の駅でもあります。
2021-22シーズンは休業中の、白馬さのさかスキー場の最寄駅で、徒歩13分で行くことができます。
南神城駅(みなみかみしろえき)は、大糸線が開通した当時は存在していませんでした。
このエリアの経済的発展に駅が不可欠だと考え、元神城村(北城村と合併し現在の白馬村に)村長の長沢氏が自費を投じ、関係各所と交渉を続け、昭和17(1942)年に開業したそうです!
駅を出て左側には杉林が、右側には民家、民宿、畑などが点在しています。
付近にコンビニや飲食店などはなく、国道148号からも離れており交通量が少ないため、とても長閑な景色が広がっています!
神城駅
南神城駅のお隣にあるのは、大きな三角屋根が特徴の神城駅(かみしろえき)。
平成9(1997)年に完成したこちらの駅舎は、なんと、地元住民や企業が建設費を捻出したそう!
令和2(2020)年の神城駅の1日平均乗車人員は36人と、少し寂しい数字ですが、エイブル白馬五竜スキー場の最寄駅であり、白馬五竜エリアの玄関口に相応しい立派な駅舎です。
神城駅にはもう一つ特徴があります。
それは、JRの簡易委託駅で、駅業務は白馬五竜観光協会に委託していること。
そのため、駅舎内には観光案内所が併設されており、観光情報を得ることができます。
駅前のロータリーを直進すると、すぐに国道148号に出ます。
ここから徒歩5分以内の距離に、汁なし担々麺が人気の「高橋家」、ソースカツ丼が美味しい「大黒食堂」、「餃子のホソカワ」、蕎麦店「山人」など、人気の飲食店が集結しています!
「道の駅白馬」も徒歩圏内です。
飯森駅
神城駅のお隣の飯森駅。
小さな駅舎の無人駅です。
先ほどご紹介した南神城駅よりも小さいでしょうか?とてもかわいらしい印象です!
飯森駅から5分程度歩くと「十郎の湯」や「農かふぇ 白馬そだち」などがありますが、駅前は民家と畑のみ!
高い建物や木がないので、遠くまで見渡せます。
解放感がすごい!
そして、白馬三山の姿も見えるほど眺望は抜群です!
信濃森上駅
飯森駅のお隣は白馬駅ですが、その前に白馬村最北端の信濃森上駅を紹介します。
今でこそひっそりとしていますが、かつては、この信濃森上駅が白馬村の中心だったそうです。
(厳密には神城村と合併する前の北城村の中心)
信濃森上駅前には民家が密集していたり、現在は閉業しているようですが飲食店やお土産物店があったり、かつての賑わいがわかる建物が残っています。
奥には五竜岳が見え、とてもいい景観!
雪景色の日は3割増しで映えます!
特に何があるというわけではありませんが、この景色を見に、わざわざ足を運びたくなってしまいます。
白馬駅
最後は、白馬村の玄関口である白馬駅。
開業当初は、信濃四ッ谷という駅名でしたが、新潟県平岩に新設される駅の名称が「白馬駅」なるかもしれないと知った地元住民が「これはいかん!」と立ち上がり、国鉄へ働きかけて、昭和43(1968)年に白馬駅に改名されました。
白馬駅の改札を出ると、正面に北アルプスの絶景が広がります。
中央左側の尖った山が白馬鑓ヶ岳、中央の平らな山が杓子岳、木とビルに少し隠れているのが白馬岳。
この3つの山は「白馬三山」と呼ばれ、白馬村のシンボルです。
過去の記事(【白馬の街並み #01】白馬駅前編)でも紹介しましたが、白馬駅の周辺には飲食店が多く、他の4駅と比べても圧倒的に賑やかです!
冬にはスキーやスノーボード道具、夏は登山用の大きなザックを持ったお客さんが多く行き来し、白馬らしい光景が見られます。
この2年間はコロナの影響で減ってしまいましたが、以前はオーストラリアをはじめとする外国人観光客の姿も多くありました。
白馬駅前の国道148号沿いの景色は、前身の県道大町糸魚川線が明治期に開通して以来、数回の改修を経て、昭和後期にはほぼ現在の姿になったそうです。
ちなみに、道路や歩道には、地下水をパイプに流してその温度で融雪する「無散水消雪パイプ」が埋め込まれているため、降雪直後でも通行しやすくなっています。
おわり
2022年2月3日、利用低迷が続く大糸線の南小谷駅 – 糸魚川駅間を管轄するJR西日本は、バス転換などを含めた存廃議論を開始すると発表しました。
白馬村内での話ではありませんが、同じ大糸線ということもあり、何かしらの影響がありそうです。
また、JR東日本が2020年に発表した白馬駅の1日平均乗車人員は173人と、20年前と比べて3分の1に減っているため、近い将来、白馬村でも存廃議論が起こる可能性があります。
そうなる前にぜひ、遊びに行ってみたり、実際に利用してみてください!