長野県大町市の高瀬渓谷は、高瀬川に沿って建設された「大町ダム」「七倉ダム」「高瀬ダム」の3つのダムと、葛温泉を含む一帯を指します。エメラルドグリーン色のダムと紅葉の景色は、県内屈指の紅葉スポットとして人気です。
前回の記事に続いて、今回は高瀬ダムと湯俣温泉をご紹介します。前回の記事はこちら ↓
国内第二位の高さを誇る「高瀬ダム」
マイカー規制されているため、七倉山荘前の駐車場から高瀬ダムへ行く方法は、徒歩かタクシー利用のみ。徒歩では約2時間の行程。タクシーでは約10分。料金は片道約2,000円ですが、乗合も可能です。
高瀬ダムは標高が1,270mと低いため、紅葉の見頃は北アルプスの山々よりも遅く、10月中旬~10月下旬頃。タイミングが良ければ、すでに紅葉が終わっている山の上部が、雪化粧した姿を見れる場合も。
高瀬ダムは黒部ダムに次ぐ国内第二位の高さを誇ります。その高さはなんと176m。巨大なロックフィルダムです。このダムを見に来るだけでも一見の価値があります。
※ロックフィルダム・・・堀削の際に出た自然の石を組み上げたダムのこと
天然温泉が湧き出る「湯俣温泉」
高瀬ダム堰堤上案内板。湯俣温泉へは、湯俣・槍ヶ岳方面に向かいます。
ダム沿いの林道は紅葉のビュースポット。湖面に映る色とりどりの紅葉や山並みが、歩く辛さを忘れさせてくれます。
林道歩きで右側に高瀬ダム、左を仰ぎ見れば山頂付近の岩肌が特徴的な燕岳が見える場所もあります。
タクシーを降りてから、1時間ほど歩き続けると、ダム最上流部に到着。ここからは高瀬川の本流に入ります。
高瀬川の本流に入るのと同時に、林道歩きの終点になります。ここから先へは湯俣渓谷への登山道になるので、登山装備が必要です。
登山道を歩くこと約2時間。対岸に「湯俣温泉 晴嵐荘」見えてくるこのあたりは、黄葉したカラマツのおすすめビュースポット。白い岩とのコントラストが美しい場所です。
晴嵐荘を通り過ぎ、さらに高瀬川の上流を目指すと、河原に高温の温泉が湧き出しているところがあります。温泉の成分の影響か、周りの岩も黄色く変色しています。非常に高温になっているので、転倒して手をつかないように注意しましょう!
対岸にあるため近づくことはできませんが、温泉成分が堆積した白い「噴湯丘」が目に飛び込んできます。国の天然記念物に指定され、さらに平成21年には「日本の地質百選」にも認定された場所です。
あちらこちらで、湯煙が立っていて温泉が湧き出ています。晴嵐荘で内湯を楽しむのもいいですが、河原で自前の湯船を作り、露天風呂として楽しむのもおすすめ!
さいごに
紅葉・トレッキング・天然温泉が楽しめる高瀬ダム。紅葉の見頃は例年、10月中旬~10月下旬頃。ぜひタイミングを合わせて、秋の行楽をお楽しみください。
※写真はすべて数年前の10月下旬ごろに撮影したものです