8月28日、雨飾山登山に行ってきました!
麓は気温が30℃に迫る暑さでしたが、山頂付近ではカラッとした冷たい風が吹き、秋の高山植物「マツムシソウ」が咲くなど、すでに秋の雰囲気。
今回は、定番の雨飾高原キャンプ場を拠点とする日帰りルートをご紹介します。
雨飾山とは
雨飾山は長野県小谷村にある、標高1,936mの百名山。
妙高戸隠連山国立公園に指定されています。
「猫の耳」と呼ばれる双耳峰の美しい山容、荒々しい岩場やなだらかな稜線歩き、360度の大パノラマなど、さまざまな魅力が詰まった人気の山です。
10月の紅葉シーズンは特に人気で、昨年は山頂付近で最大90分の渋滞が発生したほど。
山頂から見える笹平の「女神の横顔」は一番の見どころです!
詳しくは後ほど。
雨飾山 名前の由来
雨飾山の名前の由来はこのように伝えられています。
山頂に祭壇を祭り雨乞い祈願をしたことが、由来と伝えられています。
昔は「あまかざり山」と呼ぶほかに、あらすげ山とも呼ばれていました。
また、書き方も天錺山や両粧と書いてある古書もあります。両粧と書くのは、新潟県の大野辺りから見ると2つのコブが近くの山の上に乗って見えることから名付けたものだとか。
また、この山は糸魚川の漁師たちが海に出たときの目標にもなっていたそうです。出典:一般社団法人 小谷村観光連盟
「五穀豊穣を願う、神の山」として古来より地域の人々に慕われていた山だったようです。
雨飾山登山 コースデータ
登山口 | 雨飾山高原キャンプ場 (長野県北安曇郡小谷村中土18926-1) ※今回ご紹介する登山口の他に、同じく小谷村の「大網登山口」と新潟県糸魚川市の「雨飾登山口」があります。 |
標準コースタイム (山と高原地図より) |
登り:3時間40分 下り:2時間45分 【トータル:6時間25分】 |
山小屋 | 無し (トイレは登山口にのみ設置されています) |
駐車場 | 無料(70台) |
雨飾高原キャンプ場→ブナ平→荒菅沢→笹平→雨飾山
登山は雨飾高原キャンプ場よりスタートです。
土曜日ということもあり、登山口前の駐車場は朝7時の時点でほぼ満車状態。
6時30分頃までに到着出来ると安心です。
〇注意点〇 昨シーズンの混雑を受けて、2021年10月2日~24日までの各週末は、登山相談所の開設と入山規制が実施されることになりました。 |
登山口に売店とトイレがあるので、登山準備はここで済ませるようにしましょう。
トイレに手洗い用の水道がありますが「飲用不可」なのでご注意を!
雨飾山の登山道にはトイレも山小屋もありません。
携帯トイレを持参し、登山道に設置された携帯トイレブースでするスタイルです。
携帯トイレは登山口の自動販売機で購入可能です。
使い終わったら、登山道口近くに設置された回収ボックスに捨てます。
登山口からしばらくは、沢に沿って平坦な道を進みます。
木道もあるのでとても歩きやすい。
日差しが強いので、帽子や日焼け止めなどの紫外線対策を忘れずに!
登山道脇にはたくさん花が咲いています。
この辺り一帯は湿原になっていて、足元には見頃を過ぎたミズバショウも!
雪解け直後にはきれいに咲く姿が楽しめそうです。
スタートから15分程度歩くと小尾根に取り付き、いよいよ本格的な登りが始まります。
ここまでが平坦な道だったため、そのギャップに苦労しますが、階段や小さなはしごなどを超えて一気に標高を稼ぎます。
登山道にはきれいなブナの森が広がります。
紅葉シーズンには、森全体が黄色や赤色に染まります。
立派な大木のあいだから吹く風が心地良い!
休憩ポイントの「ブナ平」を超えてしばらく進むと視界が開けます。
ここは雨飾山の白い山肌「布団菱」が見える絶景ポイント!
「結構登ったな~」と思っていたのですが、ゴールはまだまだ先のようです。
しかもここから少し下ります…!
「布団菱」が見える絶景ポイントを下った先には荒菅沢があります。
荒菅沢を渡ると、少し広いスペースがあるのでここで小休憩!
冷たい沢の水で顔を洗い、火照った肌をクールダウン。
この辺りは地形的に雪が堆積しやすいため、7月頃まで残雪があるそうです。
荒菅沢を過ぎた後は、稜線に出るまでずっと急登です。
風が通らないため蒸し暑く、とてもしんどいです…!
きれいなブナの森だけが唯一の癒やし。
荒菅沢をスタートしてから40分で森林限界を越えました!
でもまだまだ急登が続きます。
ゴツゴツした岩場あり、
梯子あり、
ロープもあります。
雨飾山登山で一番ハードなポイントですが、慎重に進めば大丈夫!
ロープは補助的に付けられているだけで、使用しなくても登れます。
◯ポイント◯ 岩場やロープで手を怪我しないように、グリップ力がある手袋があると安心です。 |
森林限界を越えてから山頂までは絶景の連続!
北アルプスの山々、日本海や糸魚川市の街並み、雨飾山と同じ妙高戸隠連山国立公園の新潟焼山や火打山など、遠くまで見渡せます。
森林限界を越えてから30分。「笹平」に到着。
笹平から見る雨飾山は本当に美しい!
なだらかな山容はどこか女性的で上品な佇まいです。
雨飾山の背後には北アルプスの山々が見えています。
かすかに槍ヶ岳の姿も!
山頂へ向けてラストスパート!
大人の背丈よりも高いクマ笹かき分けて突き進みます。
◯ポイント◯ 笹平は、クマ笹を始めとする様々な植物が生い茂っているので、肌が露出しない長ズボンorスパッツの着用がオススメです。 |
笹平の先にある急登を越えると、標高1,936mの雨飾山山頂に到着!
私たちはほぼコースタイム通りの3時間30分で登ることができました。
南峰には三角点があり、北峰には石仏があります。
南峰にも北峰にも広めのスペースがあるので、コーヒーブレイクするもよし!お昼休憩するもよしです!
そしてそして!
登ってきた方向を振り返ると、眼下にいました!
「女神」です!
なんと笹平の登山道が女性の横顔に見えるのです。
目鼻立ちがはっきりした相当な美人さん。
「女神の横顔」は雨飾山を象徴する景色です。
笹平周辺の高山植物
笹平周辺では、秋の高山植物が多く咲いていました!
不思議と紫色の花が目立ちました。
ここでは名前がわかった4種類をご紹介します。
他にも、多数の白い花(花名不明)やシモツケソウ、アザミなども咲いていて、植生の豊かさを感じました。
さいごに
ブナ林あり、岩場あり、高山植物あり、女神あり、360度の大パノラマあり。
2,000m未満の山ながら、たくさんの魅力が詰まった雨飾山。
山頂付近ではカラッとした冷たい風が吹き、早くも秋を感じる雨飾山登山でした!
そして、下山後の「楽しみ」も忘れずに!
雨飾山の近くには、くるみダレ蕎麦が美味しい蕎麦店「蛍」、夏のかき氷が名物のカフェ「十三月」、2021年8月にオープンしたばかりのジェラート店「オタリアンジェラート」など、グルメスポットがたくさんあります!
ぜひ、登山とセットでお楽しみください!